平成27年広報いとしま12月1日号
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思いを結ぶ 心を結ぶ〞〞糸島市人権・同和教育研究会社会教育部 女性の人権分科会こころコラム 「学び」と「つながり」。ここ数年、私が生きてきた日々は、この言葉に全て集約されています。校区指導員、女性の人権分科会に身を置く日々の中、それまで巡り会うことのなかったであろう人たちとの出会いの中で、「学ぶこと」「知ること」は、私の人生に大きな広がりを持たせてくれました。 「人権」と名が付くと、何か堅苦しく重く捉えがちですが、生きているうちには、いろんなことが起こります。そんな時、こんなふうに思えたらいいよね、こんなふうに考えられたらいいよねと、心の在り方を多く学ぶ場でもありました。  ある人が雑談の中で、こう言われました。「最近、娘が実家に行かない。おばあちゃんには会いたいけど、周りが、いろいろ言うから」。聴けば、「まだ結婚しないとね」「仕事ばかりして」「はよ、孫の顔を見せないと」など、会うたびに言われるのだそうです。もう笑ってごまかしてばかりもいられない気持ちになったとのことでした。まだまだ「男性は仕事」「女性は家庭を守る」という価値観を測る物差しは、昔とあまり変わらないようです。 男女平等の度合いを表す2014年ジェンダー・ギャップ指数で、日本は142カ国中104位。女性がやりたいことを見付け、社会でがんばっても、家事・育児などで仕事を中断する状況は、昔とほとんど変わりません。仕事にやりがいを感じる人、仕事とプライベートをバランスよく過ごしたい人など、個々の価値観が認められ、受け止められるような社会になればと思います。 また、違う人から「結婚の話になった時、素行調査をされ、破談になった」と聞かされました。いまだに「出身地」「身内に遺伝の病気があるか」などが気になるようです。また、障害を持つ弟がいて、「将来、子どもが障害を持って生まれてきたら」と、彼の親戚が猛反対したそうです。彼や彼の両親、兄弟が良くても、周りが反対したら破談につながる事実。最初は賛成していたが、「跡継ぎは大事」と気持ちが変わった彼の母。この娘さんは「弟は何も悪いことをしていない、かわいい家族です。ただ、障害があるだけで、何でこんなに言われなくてはいけないのか。弟のかわいさを知らない人からいろいろ言われるのは、悲しいし、悔しい」と。「私は、子どもを産むために結婚するのではない。こんな身内の中で、やっていく自信がない」と追い詰められていったそうです。 自分たちの「当たり前」や「常識」という物差しを振りかざすことで傷付く人たち。これは、個人的な恨みや憎しみによるものでなく、知らないことによる無意識の行動です。だからこそ、このような差別的発言は、「正しく学ぶ」「きちんと知ること」で、防げるのではないでしょうか。人が人を判断する、この世間の物差しが間違ったままになっていることに、改めて気付かされました。  楽しく明るく元気よくをモットーの私でも、落ち込むことがあります。失敗もします。どん底で苦しみもがくとき、そこには、いつも人との出会いがありました。その人が語る一言にどれほど救われてきたことか。 困ったときに、「教えて」「助けて」と言える力も、生きていく中で大切になるときがあります。問題の解決はすぐにできなくとも、知恵を出し合い、考えや学びを深めながら、乗り越える術を見い出してきたように思います。 人が物事や他人を判断することは、その人が、今まで経験したことを基準に判断していると言われています。その判断基準はさまざまです。女性だから、男性だからではなく、一人の人間として、一人の個性として、自分らしく生きていける。相手を認めてあげられる、受け入れられる。そんな優しい社会になれたら素敵だなあと思います。渡辺 敏子わたなべ としこ私たちの身近に存在する「世間の物差し」に傷付く人たち自分らしく暮らせる社会を築く〜学び合い、認め合うこと18No.142(平成27年12月1日号) 広報 いとしま

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